春田康吏のLogbook

ある重度身体障害者の人生航海日誌。

どうしてもうまくいかないこと

今年、ある自主上映会で主催の女性の方が、
私は子どもがほしいと思っているがなかなか授からないということを涙ながらにマイクごしに語っていた。
出産を題材にした映画だったので、関連がないわけではない。
具体的に不妊治療等をしているかどうかは分からなかったが、七夕の日にお祈りしているとも言っていた。
彼女に残された時間は年齢的な意味で差し迫っているようで、子どもがいない人生も受け入れていくという選択も上がってきているようだった。
そのことは、この自主上映会が地元の新聞に取り上げられたときから記事を読んで、ぼくは感じ取っていた。
だから予想はついていたが、会場は何と言ったらいいのか分からない若干重苦しい空気に包まれていた。

ぼくはその姿を見て、2つ思ったことがある。
1つは、「弱さの情報公開」

べてるのキャッチフレーズのなかに「弱さの情報公開」があります。それは、一人ひとりが自分の抱えている「弱さ」を恥じることなく寄せ合ったとき、人はつながり、ともに助け合いがはじまるという体験に基づいた理念です。
第3回 向谷地生良「日々発見」 【向谷地生良「日々発見」】

この言葉は前から知っていたけれど、これほどまでに大勢の前で、弱さの情報公開をしている人をぼくは今まで見たことがなかった。
これはこれでありなんだろうか。
これにより何が起こるのだろう。と考え込んでしまったのも事実であった。

2つ目は、どうしても何をやってもうまくいかないことってあるということだ。
目標を達成させるためには、試行錯誤して向かっていかないといけない。
そうすることによって、叶えられることが大半だったりする。
わりとぼくはそうやって生きてきた。戦略的に。リスク管理をして。
でも、エアポケットに入ったように、どうしても上手くいかないことがある。
ここ5、6年くらい恋人がほしくて、いろんな女性とお茶したりご飯食べたり遊んだりしてきたけれど、
はたまたそういうマッチングサービスも使ってみたりしたことがあったけれど、
どうにもうまくできなかった。
強い失恋みたいなものも経験した。想いが強いと、その分だけ失望感が強い。
ワクワクがあるときもあるが、とてもエネルギーを消費する。
これってたぶんパートナーがいる人、すぐできる人には分からない感覚だと思う。

始めに書いた主催女性と一緒にするなと思うかもしれないが、
ぼくはあの涙ながらの訴えを聞いたときに、
泣きたいくらい叶えられないことってあるよなと思った。